祝辞と謝辞の違いは?式辞・告辞・訓辞・送辞・答辞など格式ある式典で使われる用語も説明します

毎年3月4月に必ずやってくる卒業式(卒園式)や入学式(入園式)の季節。
小学校や中学校のPTA会長を引き受けてる親御さまは保護者代表として「祝辞」や「謝辞」を述べなければなりません。
また、保育園や幼稚園でも保護者役員の代表として挨拶する役割があるはずです。
この記事では祝辞や謝辞の例文ではなく、卒業式や入学式で依頼される「祝辞」や「謝辞」って、そもそもどんな違いがあるのかを紹介していきます。
あなたの晴れ舞台を「カッコ良く」お手伝いできれば幸いです。
祝辞と謝辞の違いは?
ひとことでいうと「祝辞はおめでとう」「謝辞はありがとう」です。
祝辞は「お祝いのことば」として、謝辞は「お礼のことば」として使われます。
卒業式を例に祝辞と謝辞を見てみましょう
● 祝辞(しゅくじ)
卒業生や保護者に対しお祝いの意を込めて贈る言葉。
誰が話す?(教育委員長・PTA会長・議員さん)
● 謝辞(しゃじ)
卒業生や保護者が先生に感謝の意を込めて贈る言葉。
誰が話す?(保護者代表)※PTA会長の場合が多いのでややこしい
と、されています。
「どの立場で誰に向けて」により「祝辞・謝辞」は意味合いが変わります。
良く理解してないと混同してしまう場合があるのでしっかりと使い分けましょう。
とくにPTA会長は保護者の立場でもあるので祝辞と謝辞を混同した内容になる場合があります。
そこは割り切って文章を構成するしかありません。
さらに実際の卒業式の流れでは「謝辞」という言葉自体がでてきません。
なおさら混同してしまうケースが多い理由だと私は考えます。
ここからは私の私見ですが、一般的に「祝辞・謝辞」は漢字の見た目からか、どちらも「祝辞」としての扱いをされていることが多いと感じています。
それもそのはず「祝」と「謝」では、文字の見た目で随分と違いがありますよね。
「祝」は、お祝いという意味なので、スパッとお祝い確定。
「謝」は、ここでは「感謝」という意味なのですが「謝る」という風にも捉えられてしまいます。
だから卒業式では「謝辞」という言葉が出てこない理由だと勝手に推測しています。
日本語って音読み訓読みがあり、奥深くて面白いですよね。
ちなみに「辞」とは「言葉」という意味です。
披露宴を例に祝辞と謝辞を見てみましょう
● 祝辞(しゅくじ)
新郎新婦やご両家に向けてのお祝いの言葉。主賓の挨拶・友人代表の挨拶
誰が話す?(上司・友人)
● 謝辞(しゃじ)
参列くださった方々に向けての感謝の言葉。新郎の挨拶・両家代表の挨拶
誰が話す?(新郎・両親)
です。卒業式と違い混同することはありません。
しかし、いずれも司会者からは「ご挨拶」と紹介されるので「祝辞や謝辞」と思ってるひとは少ないようです。
もっというと披露宴においても「謝辞」という言葉が出てこないケースが多いです。
挨拶の内容は謝辞なのにねー。
プログラム構成としては非常に人気のない「謝辞さん」でした…
祝辞や謝辞って学校に保存されるってホント?
卒業式や入学式は格式ある式典になります。
ここで述べられるお祝いの言葉やお礼の言葉のすべては公文書に準ずる「儀式文」として保存義務が生じます。
登壇し、壇上に上がりお祝いや感謝の言葉を述べたあとは「蛇腹便箋」を演台に置いて退場する必要があるのです。
代々学校の歴史として語り継がれる運命にあるのが祝辞や謝辞なのです。
すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが祝辞や謝辞が「印刷物」だと「格好がつかない」可能性がでてきます。
祝辞や謝辞の蛇腹便箋は筆文字で手書きされたものが圧倒的に望まれていますし、何より筆文字で手書きされた文章は理屈抜きでカッコイイです。
筆文字で綺麗に手書きされた文章は「品格がある」といっても過言ではありません。
あまり知られてませんが、平成から令和へ行われた「式典や儀式」に用いられた文章はすべて筆文字です。
筆文字で綺麗に手書きされた文章は「日本人の心」といえるでしょう。
なんだか面倒だなぁ、と感じるひともいらっしゃるでしょうが、これが「格式ある式典のマナー」なのです。
式辞・告辞・訓辞・送辞・答辞って?
格式ある式典で出てくる言葉(用語)の数々…
いったいチミタチは何なのさ…(笑)
整理してみると簡単なので紹介しておきますね。
ここでも卒業式を例にして見てみましょう。
とある卒業式の式次第(参考例)
・開式のことば
・国歌斉唱
・卒業証書授与
・卒業記念品授与
・学校長式辞
・来賓のご挨拶
・来賓祝辞
・来賓紹介
・祝電披露
・在校生送辞
・卒業生答辞
・保護者代表挨拶
・校歌斉唱
・閉式のことば
※もちろんすべての卒業式がこの流れではありません
この学校の卒業式では、以下の「○辞」が出てきます。
一、式辞
一、告辞
一、祝辞
一、送辞
一、答辞
番外編、訓辞
それではひとつずつ説明していきます。
式辞(しきじ)
–校長や教頭など、学校を代表する者からのお祝いの言葉
告辞(こくじ)
–教育委員会(委員長)からのお祝いの言葉
学校により「来賓祝辞」と記載されてる場合もあります。厳密にいうと「告辞」を使います。
祝辞(しゅくじ)
–PTA会長などの来賓のお祝いの言葉
卒業式や入学式の式次第では「謝辞」という表記をしないことが多いです。
式次第の流れで「保護者代表挨拶」とある場合は「謝辞」の文章が適切です。
送辞(そうじ)
–在校生からのはなむけの言葉
答辞(とうじ)
–卒業生からのお礼の言葉
番外編、訓辞(くんじ)
主に会社などの組織の長が、部下に向けて自覚を促す目的で演説する言葉
まとめ
祝辞や謝辞の違いがお分かりいただけたでしょうか
「どの立場で誰に向けて」により「祝辞・謝辞」は意味合いは変わります。
卒業生の保護者であることが多い「PTA会長」はどちらも兼任するややこしさもお伝えしました。
卒業式や入学式が「格式ある式典」であること。
そして「祝辞・謝辞」は保存義務が生じ「学校に保存される」という現実も…
私たち虹耕では創業以来15年に渡り「祝辞・謝辞」をお書きしてきた実績も御座います。
あなたご自身で書くのが苦手だ…
周りにお願いできる人がいない…
そんな、あなたのお悩みを虹耕で解決することができます。
誰もが望む、文字における「カッコいい」のお手伝いをさせていただければ幸いです。
来賓告辞というはおかしいですね。告辞は呼ぶ側(ホスト側)が行うものですので、違和感があります。
三田さま
コメントをいただいてから随分と時が過ぎており、大変失礼いたしました。。汗
※PC操作にもなれておらず、HP更新も怠っておりました…
この度は、ご指摘ありがとうございます^^
来賓告辞
↓
来賓のご挨拶
へ、変更させていただきました。
また、何かお気づきの点がございましたら申し付けくださいませ。
本門